チップって払わないとダメなもの?

チップって払わないとダメなもの?

チップって払わないとダメなもの?

カナダやアメリカなどの北米エリアでは、チップを払う習慣があると聞いたことがある人は多いと思います。

カナダでは「いつ、どのような場面で、どんなサービスに対して、いくらくらいのチップを払うのがよい」とされているでしょうか? 

また、チップって絶対に払わないといけないものなのでしょうか?

カナダのみならず、アメリカなどの北米エリアでは、チップという日本人にはあまり馴染のない習慣が昔からあります。 

そもそも、チップとは何なのでしょうか?

“チップ(Tip)”

は、日本語に訳すと

“心づけ”

とも言われます。 

もともとチップを払う習慣そのものがない日本人からしたら、『心づけ』という言葉自体もあまりピンとこないかもしれませんが・・・。

なんとなく感覚的に近いものとしては、大道芸人さんなどに渡す

“おひねり”

だったり、引越し屋さんなどの作業員のお兄さんに渡すちょっとした

“お小遣い”

あるいは、呑み屋さんで

“大将!今日は俺から一杯奢るよ~。“

みたいなやつでしょうか。 

日本のレストランやカフェなどでは、サービス料金が最初からお代に含まれているため、チップをレストランやカフェなどで渡す機会はまずないかと思います。

カナダやアメリカなどの北米エリアの飲食店の多くは、食べ物などのベース料金にサービス料を含まないために、別途チップという形でサービス料を上乗せして払うというのが、古くから習慣化されています。

それと、日本語では、ポテトチップスと同じ発音の

“チップ”

と言いますが、ポテチを渡されるのかと勘違いされるといけないので(それはないか・・・。)

“Tip(ティップ)”

と発音しましょう!

いつ、どんな時にチップを払えばいい?

では、一体全体、どこでどんなサービスを受けたらチップを払う必要があるのでしょうか?

チップを払った方がよい場所やサービス

  • レストラン、カフェ、バー・・・
    担当のウェイター/ウェイトレスが、テーブルに付いてサーブしてくれるレストランやカフェなどでは基本的にチップを払う。
    バーテンダーさんがいるバーなどでも払うのが一般的。
    カフェでも、スタバのようなファーストフード系なら不要。
  • タクシー・・・
    タクシー利用後に、ドライバーにチップを払う。
  • ホテル・・・
    ポーターが荷物を運んでくれた場合やルームサービス、ベッドメイキングに対してチップを払う。
  • ツアーガイド・・・
    ドライバーガイドさんやツアーにアテンドしてくれたガイドさんにチップを払う。
  • 美容室、理髪店、エステサロン、ピザなどの宅配サービス・・・
    基本的に、美容理容系や飲食物のデリバリーサービス系のサービスにはチップを払った方がよいとされる。

チップを払わなくてもよい場所やサービス

  • ファーストフード店 / フードコート・・・
    マクドナルドやバーガーキングなどのハンバーガーショップなどのファーストフード店やフードコートなど、セルフサービス系のテーブルサーブがない場所では、チップの支払いは基本的に不要。
  • カフェ(スターバックスなど)・・・
    スタバをはじめとする、ファーストフード・スタイルのカフェやティーショップでは、チップの支払いは基本的に不要。
    *スタバなどのレジ横に日本の募金箱のような感じで、チップを入れる貯金箱が置いてあるのをよく見かけますが、そこに余ったお釣りの小銭を入れることはよくあります。
  • その他小売店など・・・
    洋服屋さんやお土産屋さん、スーパー、ドラッグストア、コンビニなどの小売店などの物販系の店舗ではチップの支払いは基本的に不要。 
    もちろん、払いたければ払ってもよし!

カナダで払うチップの目安はどのくらい?

場所やサービスによって、チップを支払った方がよいケースと不要なケースがありますが、その金額の相場もまた、場所やサービスにより異なります。

レストランやカフェのウェイター/ウェイトレスに払うチップの目安

飲食費総額の

“10%~15%”

くらいが相場とされていますが、中には、総額の

“20%以上”

をチップとして払う人もいます!

物価や消費税についての記事でも触れていますが、バンクーバーやトロント、モントリオールなどの都市部の観光地周辺での外食費の相場はもともと割高感があるので、さらに消費税とチップを払うことで、とんでもない金額になることもしばしば。

あまり金銭的に余裕がない日本人留学生などであれば、多少控えめでもさほどマナー違反とは思われないかと思いますので、相場の範囲内でそのサービス対価に見合ったチップを払えばよいでしょう。

●合わせて読みたい参考記事:

タクシードライバーに払うチップの目安

こちらもおおよそ、乗車運賃総額の

15%

前後を払うとよいとされています。 

タクシー運賃にチップ分を上乗せしたくらいの現金があれば、

“You can keep the change.”(お釣りは取っておいて。)

と言って済ませることもよくあるパターンです。

また、重たいスーツケースを運んでもらったりした場合などにチップをはずむと、タクシー運ちゃんの素敵な笑顔を見ることができることでしょう。

ホテルのベッドメイキング、ポーターサービスなどに払うチップの目安

その都度、1~2ドル程度を渡すとよいかと思います。 

カナダの場合は、紙幣は5ドルからなので、1ドルコインか2ドルコインを渡すとよいでしょう。

もし、5ドル以上の紙幣を渡せば、”Thank you. Sir / Madam.”てな感じで、めちゃくちゃ感謝されるはず。

その他、美容系、デリバリー系サービスなどに払うチップの目安

やはり、消費税を除く料金総額の

“10~15%”

くらいが相場とされています。

サービスに満足がいけば、20%以上のチップを払っても当然文句は言われません。

Oh!役立ちメモ!~超が付くほど愛想のいい店員さんたち~

バンクーバーやトロントなどの観光地にある雰囲気のよいレストランなどに行くと、小奇麗で元気なウェイターさんやウェイトレスさんがテーブルの担当に付いてくれて、

“Hi! How are you guys doing today? 
Our Gourmet grilled chicken is highly recommended today.

Please let me know if you guys need any help!

(ハーイ!今日の調子はどう?
今日はグルメ・グリルドチキンがおすすめよ~!

困ったことがあったらいつでも声を掛けてちょうだいね~!)

みたいな調子で、こっちがちょっと引くくらい愛想よく接客してくれます。

食事の途中でもこちらのテーブルまでやってきては、

“Is everything OK, guys? 
How do you like our dishes?  
Enjoy your meal !”

(これまでのところ大丈夫? 私たちの料理は気に入ってくれた? 食事を楽しんでってね!( ^^) _旦~~)

的なことを、とびっきりの笑顔&高めのテンションで聞きに来たりします。

やけに愛想がいいので、最初はびっくりするかもしれません。

ですが、レストラン側や店員さんとしては、チップも当然収益になります。

そのため、こちらがチップをはずまないと申し訳なくなるようなテンションで、とびっきりの笑顔で接客サービスをしてくれる!

という商売上の事情が絡んでいるのが実際のところのようです・・・。

ただ、実際にここまで感じよく接客されたら、当然悪い気はせず、チップをはずんでしまう気持ちになるものですね。(^_^;)

チップの払い方は?

通常、チップはキャッシュで払うことが多いですが、最近ではクレジットカードで払うケースも多々あります。

カナダのレストランはテーブル会計が多く、

“Check, please.”(お会計お願いします。)

とテーブル担当の店員さんに告げると、店員さんが伝票を二つ折りのフォルダーとともに持ってきてくれます。

そのフォルダーを開くと、伝票が挟まっているので、記載されている合計金額を確認したら、タックス(HSTやGSTなどの消費税)を除く合計トータル金額の15~20%程度をチップとして支払い、そのままテーブルの上にお代とチップを置いて、店を後にするという流れです。

クレジットカード払いをするときは、フォルダーにクレジットカードを挟んで、テーブル担当の店員さんに渡してから会計をしてもらうことになりますが、クレジットカードの場合はどのようにチップを支払えばいいのでしょうか?

クレジットカードの場合は、レシートに署名(サイン)をすることがほとんどです。 

店員さんが持ってきてくれたレシート欄をよく見ると

“Gratuity”

もしくは、

“Tip”

と記載された箇所があります。

その欄にチップの金額を記載し、Total欄にはチップを含んだお会計の合計金額を書き入れます。

署名欄にサインをして、レシートのお客様控えをもらったら、店を後にするという流れです。

最近では、クレジットカード決済用にハンディタイプのカード読み取り機をテーブルに持ってきてくれて、表示されたお代を確認後にチップの金額を入力して決済。というパターンもあります。

タクシーやホテルのポーターなどの場合は、キャッシュを直に渡すのが通常です。

また、ベッドメイキングやハウスキーピングなどのサービスの場合は直接顔を合わせないことが多いため、ベッド横のテーブルなどにキャッシュを残しておくのが一般的です。

チップを払わないとどうなるの?

チップは、あくまでサービスに対する感謝の意を表す心づけとなるため、支払わなければ罰則があるというものではありません。

ですが、

“郷に入っては郷に従え。”

というように、その国の文化や習慣をよく理解した上で、マナーとしてやったほうがよいことはきっちり守ることがビジターとしてカナダに訪れる立場の日本人でも必要なことだと思います。

“日本人はチップを払わない。”

“日本人はケチな人間が多い。”

などの変なレッテルを貼られないようにするためにも。

昔カナダに住んでいた頃、やたら愛想もサービスも悪い店があり、チップを小銭程度しか払わずに出ようとしたところ、

“チップは〇〇ドルくらい払うのが当たり前よ!”

とまくし立てられたことがありました。 

“サービスが悪いのに何でチップを払わないといけないのか?”

という疑問は残りますが、それもこれも含めて、その国で暮らす限りは、その国のマナーや習慣を受け入れる努力が必要なのかもしれません。

カナダ以外でチップの習慣がある国は?

日本には”チップを払う”という習慣がありませんが、日本以外でチップの習慣がある国はどこでしょうか? 

まず、カナダとアメリカの両国は、このチップを払う習慣が共通しています。

アメリカ領のハワイやグアムなども同じくです。

英語圏だとイギリスもチップを払う習慣がありますが、留学やワーキングホリデーなどで人気のオーストラリアやニュージーランドには、意外にもチップを払う習慣は根付いていません。 

その他、ヨーロッパのいくつかの国でもチップの習慣がある国がありますが、カナダに留学やワーキングホリデーで滞在予定の人であれば

“カナダとアメリカは何せチップを払う習慣があるんだな。”

と覚えておけばよいでしょう。

最初からチップ込みのお店もあるの?!

“チップ(心づけ)なんだし、お店や店員の対応次第で金額を決めるのが普通でしょ?”

と思いたいところですが、

実は、カナダでは最初からチップをサービス料として請求しているお店も少なからずあります。 

“Auto-Gratuity”

などと呼ばれているようですが、そのようなお店は、伝票にすでに

“18% Gratuity included”

などの記載がされているため、それをよく見ずに、さらに15%~20%もチップ分として上乗せして支払った日には、こっちは大損!(T_T)

店側が儲かるだけなので、

“伝票やレシートの明細をよく確認する癖”

をつけておきましょう。

この頃では、レシートに

“Gratuity Not Included”

という文言とともに、

“Suggested 18% Gratuity”

と、チップ金額の提案が記載されていたり、

“Tip Guide”

というチップの金額のヒントみたいな欄があり、例えば、50ドル分の食事なら

“15%=$7.50 , 18%=$9.00 , 20%=$10.00”

のように、チップの目安をわざわざご丁寧に記載しているレシートも多く見かけます・・・。

チップ、貰う側なら超ハッピー!?

カナダでチップを払う側の立場からすると、

“高くなるし、計算するのも面倒だし、そんな習慣やめてしまえばいいのに~。”

と思いますよね。

だが、しかし!

逆に、チップがもらえるような場所で働く側の立場になって考えた場合はどうでしょうか?

ワーキングホリデーなどで、カナダに滞在する人なら、働き手の立場としてレストランやカフェなどの飲食サービスに従事するケースはよくあります。

もし、接客サービスや料理の味をめっぽう気に入ってもらえた時には、トータルの20%以上のチップを払ってくれるお客様もいます。 

特に、海外からの富裕層がよく訪れる観光地にあるレストランなどでは、地元のカナディアンよりもたくさんのチップを払ってくれることもよくあるため、

“全給与のうち、チップの割合の方が大きくなることも!”

働くお店にもよりますが、チップは均等に分配されたり、個人でたくさんもらった分が還元されたりするため、チップをもらう側の立場に立つと

“なんて、すばらしい習慣なんでしょう!”

となるわけです。

カナダに行ったら是非、チップを渡す側ともらう側、双方の感覚をイメージした上で、このチップという習慣を受け入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • カナダのレストランで食事をしたときやタクシーに乗った時はチップを払う習慣がある!
  • チップの相場は、税抜きトータル金額の15%前後が一般的!
  • ファーストフード店やフードコートなどではチップは不要!
  • カナダをはじめ、アメリカやイギリスにもチップを払う習慣がある!
  • 最初からお会計にチップが含まれているケースもあるので要注意!
  • ワーキングホリデーなどで働き手の立場になると、チップが大きな収入になり得る!

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