カナダの消費税について(軽減税率編)

日本でも導入されている「軽減税率」ですが、カナダでは古くから軽減税率制度を採用している国の一つです。

という物品やサービスが多くあり、それらのカテゴリーはかなり細かく分類されています。

カナダで生活して行く上で、主に消費税が掛からないものに関して、大まかに把握しておくとよいでしょう。

先にカナダの消費税制度の基本について知りたい人は、カナダの消費税について(基本税制度編)をチェックしてみましょう!

カナダでは消費税が全く掛からない物があるってホント?

カナダは州によって税率が異なりますが、購入する物品やサービスによって、消費税が掛かるものと掛からないものが存在します。

カナダで最低限の生活をして行くために必要なものは

“完全非課税”

となっています。

例えば、

“生鮮食材や農作物、家賃、医療や保険に関わるサービスなどの費用”

は免税対象に該当します。

一方で、レストランなどでの外食を含む嗜好品の多くは、フルに課税される場合がほとんどです。

ただし、PSTとGSTに分かれているブリティッシュ・コロンビア州などの州とHSTを採用しているオンタリオ州などの州では、消費税の非課税対象アイテムが異なるため、詳しく把握したい人は滞在予定の州の公式サイトなどで発表している免税対象品リストをチェックしてみるとよいでしょう。

全ての州で消費税が全く掛からない物やサービス
(GST、PST、HSTのいずれも免税)

カナダでは嗜好品以外の毎日の生活に必要な消費財やサービスに対しては、原則として消費税を一切課税しません。 

対象になるものは生活に欠かせないものが中心となり、その物品やサービスは限られますが、あまり贅沢をしない堅実派なら、消費税が掛からないものを把握しておくことで、大きく節税できるかもしれません。

以下はバンクーバーやビクトリアがあるブリティッシュ・コロンビア州の消費税免税対象アイテムとサービスの一例です。

■ブリティッシュ・コロンビア州でPSTとGSTのいずれも掛からない主な物品やサービス

物品 / サービス・項目物品 / サービス・例
食料品スーパーマーケットなどの生鮮食材(肉類、野菜類、パンなど)
水道代家庭やオフィスなどで使用する水道代
公共交通機関バス、電車(スカイトレイン、地下鉄など)、フェリー、飛行機
家賃アパートメントやコンドミニアム、ホームステイなどのレント代
医療費、処方薬歯医者、各種医療機関、処方箋のある薬剤など
コンタクトレンズ、メガネ処方箋のあるメガネやコンタクトレンズなど
カイロプラティック整骨院、整体院などのカイロプラクターによる治療
各種保険サービス損害保険、自動保険、旅行保険、生命保険など

*トロントやオタワのあるオンタリオ州など、HSTを採用している州でも、上記のアイテムやサービスは非課税となっています。

■ブリティッシュ・コロンビア州でGST(5%)だけが掛かる主な物品やサービス

物品 / サービス・項目物品 / サービス・例
外食レストランやカフェでの飲食など
本、雑誌、新聞電子書籍を含む本や雑誌、新聞など
スナック菓子ポテトチップスやポップコーンなど
光熱費家庭用の電気代、ガス代、オイル代など
タクシータクシー利用時の運賃
ガソリン車やバイクのガソリンやディーゼル代など
処方薬以外の薬ドラッグストアなどで買える家庭用の薬(風邪薬など)
サプリメントビタミン、ミネラルなどの各種健康補助目的のサプリメントなど
観覧入場券映画チケット、ライブチケット、スポーツ観戦チケットなど
フィットネスジムジムやプールなどフィットネスセンター利用料金
散髪、理美容散髪屋さんや美容室などでのサービス料金
エステ、マッサージエステティックサロンやマッサージ室などのサービス料金

*上記の商品やサービス以外にもPSTだけが掛かるものがあります。

オンタリオ州でGST(5%)だけが掛かる主な物品やサービス

HSTを採用しているオンタリオ州の場合、生活する上で最低限必要な食料品や水道代、家賃や医療に関わる費用、処方箋のあるコンタクトレンズやメガネ、保険料などは全て免税です。

レストランやファーストフード店、フードコートやカフェなどの外食サービスやスナック菓子(ポテトチップス、ポップコーン、アイスクリーム、チョコレートなど)は、ブリティッシュ・コロンビア州ではPSTが非課税になるものでも、HST(13%)がフルに課税されるため、外食を含む嗜好品などはオンタリオ州の方が高くつく印象を持つかもしれません。

オンタリオ州で、GST(5%)だけが課税されて、PST(州税)が免税対象になっているアイテムは、下記のようなものがあります。

■オンタリオ州でGST(5%)だけが掛かる主な物品やサービス

物品 / サービス・項目物品 / サービス・例
食べ物4ドル以下の加工食品や飲み物
子供服子供サイズの服や6インチ以下の靴など
おむつ紙おむつなど
チャイルドシート車の座席に設置するチャイルドシート
生理用品女性用のナプキンなど
一般書籍、電子書籍、新聞など

子供服が免税対象となっていますが、大柄なカナダ人やその他の国の留学生と違い、日本人女性は小柄なタイプが多いため、子供サイズの服や靴などはお得に購入できるかもしれません。

オンタリオ州の場合、州税(PST)の免税対象となるアイテムがブリティッシュ・コロンビア州と比べて少なく、同じ物やサービスでも州によって課税対象になるものとならないものの差があるということがわかります。

トロントやオタワに留学する人は、バンクーバーやビクトリアに留学する人よりも、長い目で見ると高くつく可能性もありますが、消費税が掛かるものと掛からないものをある程度把握しつつ、うまく節約できる人なら、州による差はさほど大きくならないのかもしれませんが。

州による違いはあれ、カナダで生活する際には、食料品や家賃、交通費以外の嗜好品の大半に

“GSTとPSTとを合わせた10~15%の消費税が、おおよそフルで課税される。”

と思っておいた方が無難かもしれません。

どーなってんの? カナダのユニークなドーナッツ税の話

カナダのドーナッツショップでは、軽減税率にまつわるユニークな線引きルールがあります。

ドーナッツ×「5個まで」なら嗜好品扱いのため「課税」される。

でも、

ドーナッツ×「6個以上」なら嗜好品ではなく、食料品扱いのため「非課税」になる。

という何ともユニークな線引きの仕方が採用されています・・・。

ドーナッツ、マフィン、ブラウニー、ケーキ、パイ、クッキーなどのペイストリー系のお菓子が対象だそうですが、

“5個までならバラ売りで、その場で全部食べられるから嗜好品ね。”

けど、

“6個以上ならパッケージに入っていて、お家に持って帰ってみんなで食べるだろうから食料品ね。”

という発想のもとで、課税、非課税の線引きがなされたようです。。。

どこまでが課税対象で、どこまでが免税対象なのか?

消費税の軽減税率を採用している多くの国や地域でこのような議論が繰り返され、カナダでも長年の運用の末に現在の消費税制度に落ち着いていますが、州によって、場所によって、物やサービスによって税率が異なるというのは、興味深くもありますが、ただただ、ややこしいシステムだと感じざるを得ません。

日本での消費税率10%導入後の軽減税率導入についても、賛否両論、様々な議論が繰り返されることになることは間違いありません。

まとめ

  • カナダのPST(州税)の税率は州によって大きく異なる!
  • 消費税が課税される物とされない物がある!
  • 嗜好品以外の食料品(肉や野菜、穀物類)や水道水などには一切課税されない!
  • 家賃、公共交通機関、医療、処方薬、保険なども非課税扱い!
  • レストランなどでの外食をはじめとした嗜好品の大部分には、消費税が課税される!
  • ドーナッツやマフィンなどのお菓子は、個数によって課税か非課税かが分かれる!

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