ILAC・EC Englishの閉鎖について~カナダ留学を検討中の方へ~

ILAC & EC の倒産(閉校)について
1.ILACとEC Englishに何が起きたのか
2026年9月11日、そして、18日と2週連続で週末にいきなり飛び込んできたニュースは、私たち留学エージェントはもとより、カナダで語学留学を検討されている方や、実際にカナダで通学中の留学生/通学予定だった方にとってあまりにもショッキングな出来事(事件)となりました。
カナダ最大手の語学学校グループ・ ILAC(International Language Academy of Canada) が破産手続きを開始し、カナダ国内のキャンパス(バンクーバーとトロントの複数キャンパス)を一斉にクローズ(閉校)し、対面クラスはもとより、オンライン授業やその他の関連事業を含むすべてのプログラムとサービスを突如として終了しました。
また、その前週に同じく突然の閉鎖アナウンスがあった EC English Language Centres も、事業の終了に向けた正式な手続きを開始しました。
特に、ILAC(アイラック)に関しては、当社においても1番人気の学校で、過去を振り返ってみてもお申込み数も多い方でした。 比較的長く通ってもらったお客様の割合も高い学校だっただけに、未だに信じられない思いでいっぱいです。
実際に、今年に入ってからも「ILAC(アイラック)」をご紹介&お申込みのお客様が一定数おり、今回の閉鎖については決して他人事ではありません。

今回、一体何が起きたのかをできるだけ客観的に整理するとともに、Languages Canada(LC)や加盟校による対応、そして今回の大きな出来事を踏まえ、今後当社がどのような考え方でカナダの語学学校をご紹介していくのかなど共有したいと思います。
ILAC(アイラック)について

ILAC(アイラック)は、トロントとバンクーバーを中心に長年(約30年)運営されてきたカナダの大規模な語学学校でした。
そのブティックライクでオシャレなキャンパスデザインなどイメージ戦略もあってか、カナダでも最も人気のある学校としても知られていましたが、
2026年9月18日、ILACは突如として破産手続きを開始し「KPMG Inc.」が管財人(Trustee)に指定されました。
このあまりにも衝撃的なニュースに関するテキストを目にしたのは、ちょうど日本時間土曜日の早朝6時過ぎでした。
眠い目をこすりながら、前週からILACに通学中のお客さまからのメールをふと見た瞬間、一気に目が覚めたことを覚えています。
寝ぼけ眼で見たそのメールには「bankruptcy (破産)」という文字が・・・。
思わず何度もそのメールを見返してしまいました。
夢であってほしいと思ったのもつかの間、これは現実に起きている紛れもない事実に他なりませんでした。
前週のEC破綻の件でザワついていた最中だったことも手伝ってか、「さすがにこれは何かの間違いでは?」と思い、すぐさまウェブサイトやSNSで最新情報をチェックしたところ、その事実を受け止めざるを得ないことに気づかされました。
まさに「寝耳に水」とはこのことでした。
直後にILACは、過去数年間にわたる財務上の困難や、語学教育分野を取り巻く規制環境の変化などに直面していたと説明しています。
今回の手続きにより、ILACではカナダ国内の対面/オンライン授業・プログラムやサービスをすべて終了することになりました。
参考サイト:KPMG Canada「International Language Academy of Canada Inc.」
参考サイト:Canadian Press / Global News「Private Canadian English language school shutters, files for bankruptcy」
EC Englishについて

EC Englishは、マルタを起点として世界各国で語学教育を展開してきた国際的な語学教育グループでした。
マルタ共和国をはじめ、アメリカ、カナダ、イギリス、アイルランド、南アフリカ、UAE(ドバイ)など、世界7カ国・25都市にキャンパスを展開していました。
2026年9月、ECは厳しい財務・市場環境が続く中、追加の投資を確保できなかったことなどを背景に、正式な倒産・清算手続きを開始すると発表しました。
ECはカナダ国内3都市(トロント校、バンクーバー校、モントリオール校)にキャンパスがありました。
EC自身の発表によれば、同グループは新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年には、世界8か国で「年間約45,000~50,000人」もの学生を受け入れていました。
長年にわたって多くの留学生に利用されてきた学校であっただけに、今回のニュースは、在校生や留学予定だった学生だけでなく、教育エージェント、ホームステイ関係者、学校スタッフなど、幅広い関係者に影響を与えるものとなりました。
参考サイト:EC English Language Centres「EC English Language Centres to wind down」
2.実際にどれくらいの学生が影響を受けたのか
今回のILACとECの閉鎖により、今も多くの学生が影響を受けています。
Languages Canadaは、2026年9月28日の発表で「ILACとEC Englishの閉鎖による影響を受けた学生は4,500人を超える」と発表しています。
ここでいう「影響を受けた学生」には、
- 閉鎖時点ですでに通学していた学生
- 閉鎖後に開始予定だった学生
- 対面授業の学生
- オンライン授業の学生
- 2027年に開始予定の授業をすでに支払っていた学生
などが含まれています。
Languages Canadaでは、加盟校のネットワークを活用し、影響を受けた学生ができるだけ学習を継続できるよう、別のLC加盟校への転校・受け入れを進めています。(ちなみに、当社提携校=ご紹介校はすべてLC加盟校です。)
2026年9月28日時点では、閉鎖時点ですでに通学していた学生について、
- ILACの留学生(対面):1,362人中1,106人を他校などに振替済み
- EC Englishの留学生(対面):331人全員を他校などに振替え済み
したと報告されています。
一方で、まだ受け入れ先を必要としている学生もおり、Languages Canadaは引き続き対応を続けています。
この対応には、多くの加盟校が受け入れ枠を用意し、一部ではスタッフを増員したり、追加のスペースを確保したりするなどの協力を行っているとされています。
今回の出来事は非常に影響が大きいものでしたが、同時に、カナダの語学教育業界全体が協力して迅速に学生を受け入れる動きがあります。
ただ、今回は過去に類を見ない数の留学生が影響を受けたこともあり、複数の加盟校が協力して各地で分散して受け入れたとしても、その割り当てや受け入れについては個々の学校のキャパシティの問題などで、新たなクラス増設、新たな講師陣の確保などの対策が不可避となっていると聞いています。
参考サイト:Languages Canada「EC English and ILAC closures: Updates and FAQs」
3.受け入れに動いてくださった学校・関係者の皆さまへ
今回、突然学校を移ることになった学生の受け入れにあたっては、Languages Canadaだけでなく、多くの学校が救済支援、被害に遭った方の受入れに対して協力の姿勢を示しています。
ILACやECで学んでいた学生を受け入れるために、通常の募集とは異なる形で早期に対応し、授業の継続を支えてくださっている学校もあります。
当社としても、今回の影響を受けたお客様の対応を進める中で、受け入れ先となった学校や関係機関の協力の有難さを実感しました。
実際に、出発目前だった方もおり、宿泊先(ホームステイ先)も決まっているケースがありました。
幸いにも、このニュースを受けてすぐに直接コンタクトを取った学校(Q校)がクラスの受け入れと同時にホームステイ手配を嫌な顔一つせずにスピーディーに手配対応してくれました。
ILAC手配のホームステイ先には支払いがされておらず、返金や受入れの目途が立たない状況だったため、ホームステイ宿泊費の大部分は当社負担で支払うことにはなりましたが、とても迅速で寛容な対応をいただけたことで、非常事態の最中とても救われる思いでした。
この場を借りて、学生の学習継続のために受け入れにご協力いただいている学校、Languages Canada、そして関係スタッフの皆さまに心より感謝申し上げます。
4.今回の出来事を受けて、これからのカナダ留学はどうなるのか
今回のILAC・ECの閉鎖のニュースを見て、
「カナダの語学学校って大丈夫なの?」
と不安に感じる方が多数おられるでしょう。
そう思うのも無理はありません。
私たちも、今回の出来事を非常に重く受け止めており、決して軽く扱えるような問題ではありません。
「自信を持っておすすめし、紹介した学校が突然なくなる」なんてことは本来絶対にあってはならないことです。
ですが、一方で、今回の2校の閉鎖のニュースだけで
「カナダの語学学校はすべて危険」
「カナダ留学自体が困難になった」
と考えるのは早計です。
現在もカナダには多くの語学学校があり、Languages Canadaをはじめとする業界団体や加盟校によって、学生の学習環境を維持するための取り組みが続いています。
今回の出来事から私たちが強く感じたのは、
「いかに安心して通える学校を選定し、マッチングできるか」が、これまで以上に重要になっている
ということです。
5.今後、当社の語学学校紹介・手配について
今回の経験を踏まえて、当社では今後、
- 人気のある学校だから!
- 大規模なチェーン校だから!
という理由だけで学校をおすすめするのではなく、今まで以上により慎重に学校調査&選定した上で、学校紹介をしていきたいと考えています。
具体的には、以下の点を定期的に入念にチェックして参ります。
① 学校の運営状況を確認する
学校の規模や知名度だけではなく、運営状況や現地関係筋からの情報を事前にしっかりと確認した上でご案内します。
② できるだけ一つの学校に集中させない
特定の学校だけをおすすめするのではなく、渡航目的・期間・都市・予算などに応じて、複数の選択肢を比較できるようにします。
③ 「学校選び」だけでなく「都市選び」から考える
バンクーバーやトロントだけではなく、カルガリー、モントリオール、ハリファックス、ケロウナなど、それぞれの特徴を比較しながら、ご希望に合う地域を一緒に考えます。
④ 学校のメリットだけでなく、注意点もお伝えする
留学には必ずメリットと注意点があります。
良いところだけをお伝えして申込みを急いでいただくのではなく、費用、立地、クラス構成、日本人比率、学校規模、プログラムの特徴など、判断材料となる情報をできるだけ正確にお伝えします。
⑤ 最新情報を確認してからご案内する
留学業界では、学費、キャンペーン、プログラム、入学条件などが変更されることがあります。
そのため、Webサイトに掲載している情報だけをそのままお伝えするのではなく、実際のお申込み時には学校から最新情報を確認したうえでご案内します。
6.今回の出来事から、私たちが考える「安心できる留学手配」
今回のILAC・ECの閉鎖を目の当たりにし、
留学エージェントの役割は、学校を紹介して申込みを取ることだけではない
と感じています。
もちろん、留学先の学校選びは非常に重要です。
しかし、それと同じくらい、
- なぜその学校を選ぶのか
- 他にどのような選択肢があるのか
- その学校にはどのような特徴や注意点があるのか
- 万一状況が変わった場合にはどうするのか
などについてよく考えておくことが大切です。
今回のような大きな学校閉鎖を完全に予測することは、学校やエージェントにとっても簡単なことではありません。
だからこそ私たちは、
「絶対に大丈夫な学校」を約束するのではなく、変化が起きたときにもできるだけ適切に対応できる留学手配
を目指していきたいと考えています。
7.これからカナダ留学を考えている方へ
今回のニュースを見て「カナダ留学そのものを諦めようか」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。
私たちは、無理にカナダ留学をおすすめするつもりはありません。
大切なのは、
「カナダに行くこと」そのものではなく、その方にとって本当に意味のある留学になるかどうか
だと考えています。
ワーキングホリデーなのか、短期留学なのか、長期留学なのか。
大都市が合うのか、地方都市が合うのか。
語学学校に通う必要があるのか、それとも別の方法が合っているのか。
そうしたことを一つずつ整理したうえで、必要であれば学校をご紹介します。
そして、学校を決めることが本来の目的ではありません。
安心して出発し、現地でかけがえのない充実した時間を過ごしていただくこと。
それが、私たちが15年以上カナダ留学をサポートしてきた中で、これからも大切にしたいことです。
まとめ
ILACとEC Englishの閉鎖は、カナダ留学業界にとって非常に大きな出来事(事件)でした。
実際に多くの学生が影響を受け、現在もLanguages Canadaや加盟校による転校・受け入れ対応が続いています。
一方で、これをきっかけにして、私たち自身も学校紹介のあり方を改めて考える機会となりました。
これからは、学校の知名度や人気だけではなく、
- その学校を選ぶ理由
- 他の選択肢
- 都市の特徴
- 学校の状況
- 留学に伴うリスクや注意点
までを含め、できるだけ客観的な情報をお伝えしていきます。
カナダ留学を取り巻く環境は、これからも変化していく可能性があります。
カナダのみならず、世界その他の国や地域でも留学生の数は年々減少傾向にあるようです。
だからこそ、私たちは一つの学校や一つのプログラムだけに依存するのではなく、その時点で確認できる情報をもとに、お客様にとってより納得できる選択肢をご一緒に考える留学サポートを続けていきます。
カナダ留学について不安なこと、学校選びで迷っていることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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